一部の限られた人たちを除き、大抵の場合誰もが限られた生活圏内で毎日を過ごしています。しかし、一見何の変哲もないようなその限られた生活の中のできごとを、折に触れて1つずつしっかり感じてみてることが大事です。
それは、行きつけのスーパーやドラッグストアといったお店でもいいですし、街中のお散歩コースであったり、或いは通勤ルートを今日は敢えてこっちの道から行ってみるといったことで構いません。そんなのはつまらないことだ、という声が聞こえてきそうですが、実は違います。
大切なのは、何をしているかということ以上に、今していることや、今このときという瞬間に集中するように全身と五感でフルに味わってみること、積極的に味わおうとする姿勢です。
例えば朝起きたときのコーヒー一杯にしても、何となく習慣として飲むのと、ミルクやお砂糖、使っているインスタントコーヒー粉末、それらを混ぜるためのスプーンや、コーヒーを入れるカップやタンブラーなどトータルでこれで良しと思えるだけのベストな選択をして味わって飲むのとでは、1日の始まりからまったく質の違うものになってきます。
「ミルク、お砂糖、コーヒー粉末との割合は、これぐらいだとこういうまろやかさや苦みが出てくる」というニュアンスを1杯ごとに味わい、お気に入りのマグカップやスプーンを使い、朝の時間をフルに味わうようにして飲むことから始めても良いのです。
むしろそういった瞬間をトータルで堪能しながらその日のスタートを切ることができるのは、人生において豊かで上質なことです。その時間を楽しめるようになると、見えてくる景色も変わってくるでしょう。